小規模事業者持続化補助金とは?

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小規模事業者持続化補助金の目的

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取組を支援する補助金です。具体的には、新市場参入に向けたマーケティング施策の実績、新しい顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発、それと併せて行うデジタル化推進などの業務効率化などの取組が対象となります。

2021年に中小企業庁が発表した調査結果によれば、国内の小規模事業者の数は285.3万社(者)にも上り、事業者全体の84.5%を占めています。日本のほとんどは小規模事業者であると言っても過言ではありません。そんな小規模事業者を支援することで、地域経済の持続的な成長・発展や雇用促進を図ることが、小規模事業者持続化補助金の重要な目的となっています。

小規模事業者持続化補助金の補助対象者

小規模事業者持続化補助金に申請できるのは、日本国内に所在する小規模事業者です。小規模事業者が否かは下表の通り業種と従業員数によって判断されます。

商業・サービス業 (宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち 宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

この条件をクリアしていれば、法人だけでなく、個人事業主の方でも申請可能です。また、一定の要件を満たしていれば、特定非営利活動法人(NPO法人)でも申請することができます。ただし、申請日の時点で開業届を提出していない創業者は対象外となるため注意しましょう。

一方、医師、農業従事者(個人)、組合(企業組合・協業組合を除く) 、一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人なども対象外になります。

小規模事業者持続化補助金の申請枠・補助率・補助額

小規模事業者持続化補助金には、下表の通り5つの申請枠が設けられています。補助率(投資した経費の何割が補助されるか)は全枠共通で2/3に設定されていますが、補助上限額は通常枠が50万円であるのに対して、「特別枠」とも呼ばれる賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠の4枠は200万円となっており、この点に大きな差があります。

しかし、特別枠はすべての小規模事業者が申請できるわけではありません。申請枠ごとに細かな申請要件が定められており、それらをクリアする必要があります。申請要件の中には、何か月も前から準備しておかなければいけないものもあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

なお、現在は全枠共通で「インボイス特例」が設けられており、小規模事業者が免税事業者から適格請求書発行事業者に転換した場合、補助上限額が50万円上乗せされるというインセンティブを受けることができます。これからインボイスに登録しようと考えている小規模事業者の方にとっては大きなチャンスですので、ぜひ活用してください。

小規模事業者持続化補助金の補助対象経費

続いて、小規模事業者持続化補助金ででは、どんな経費が補助されるのかを見ていきましょう。補助対象経費は下表の通り、大きく10項目に分類されます。数ある補助金の中でも、比較的用途は幅広く、使いやすい補助金と言えるでしょう。

経費区分 具体的な内容
機械装置等費 補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等
広報費 新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等
ウェブサイト関連費 ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費
展示会等出展費 展示会・商談会の出展料等
旅費 販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
新商品開発費 新商品の試作品開発等に伴う経費
資料購入費 補助事業に関連する資料・図書の購入費用等
借料 機器・設備等のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
設備処分費 新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等
委託・外注費 店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須)

経費項目のうち、特に注意が必要なのは「③ウェブサイト関連費」です。まず、ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。また、ウェブサイト関連費は「補助金総額の1/4(25%)、最大50万円」が上限と定められています。つまり、通常枠で50万円の補助金が採択された場合でも、その25%である12.5万円までしかウェブサイト関連費としては使えないということです。

さらに、ウェブサイトの制作費・改修費だけでなく、インターネット広告、SEO、SNS、、動画制作、システム開発、スマホアプリ開発、ソフトウェア導入などに係る経費もすべてウェブサイト関連費に含まれます。あれこれと予算を盛り込み過ぎると、あっという間に限度額をオーバーしてしまうので気を付けましょう。

小規模事業者持続化補助金の申請プロセス

小規模事業者持続化補助金の申請は下表のようなプロセスで行います。まずは、公募要領やガイドブックなどで補助金の内容や申請要件を確認して、申請書類を準備します。申請書類のなかで特に重要なのが、経営(事業)計画書です。経営(事業)計画書には、「自社の概要」「顧客ニーズと市場の動向」「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」「経営方針・目標と今後のプラン」「販路開拓や業務効率化の取組内容やその効果」などを具体的に記載しなければなりません。申請準備から申請までは、少なくとも1ヶ月程度の期間が取れるように、スケジューリングしておいたほうが良いでしょう。

申請してから審査結果が出るまでは、およそ2ヶ月~2か月半程度。採択・交付決定後に補助事業をスタート。、そこから7カ月程度の事業実施期間内に経営(事業)計画書に記載した取組をすべて完了させ、完了したことを事務局に報告します。補助金の入金時期は、事業実施にどの程度の期間を費やしたかによって前後しますが、おおむね「申請から6ヶ月後」くらいになるケースが多いです。また、入金された1年後には、補助金を活用して実施した取組の効果を報告することも義務付けられているため、申請準備からすべてが完了するまで、1年以上の期間を要することになります。