IT導入支援事業者の役割と選び方

令和5年度補正予算案 環境省が描く脱炭素社会への道筋
この記事の目次

IT導入支援事業者とは

IT導入支援業者とは、一言で言えば「IT導入補助金の申請を支援する業者」です。主にITベンダーやITサービス事業者がその役割を担っています。IT導入支援事業者はITツールを活用して生産性向上に取り組みたい中小企業・小規模事業者のパートナーとなり、ITツールの説明から導入、導入後のサポート、IT導入補助金の交付申請、実績報告などの手続きを伴走サポートしてくれます。

IT導入支援事業者になるには、IT導入補助金事務局に登録申請を行う必要があります。申請後、事務局および外部審査委員会による審査を受け、採択された事業者のみがIT導入支援事業者として登録されます。実際に、どのような企業がIT導入支援事業者に登録されており、どういうITツールを事務局へ登録し、中小企業や小規模事業者のサポートを行っているのでしょうか。誰もが知っている大手企業を中心にいくつか具体例を挙げてみましょう。 IT導入支援事業者の役割

IT導入支援事業者の役割

ここからはIT導入支援業者の役割について見ていきます。「IT導入支援事業者が具体的に何を、どこまでサポートしてくれるのか」を把握しておくことで、役割分担も明確になりますし、適切なサポートを行ってくれる事業者かどうかを見極める材料にもなるでしょう。

生産性向上につながるITツールの登録

IT導入補助金のインボイス枠では、会計・決済・受発注の機能を保有するITツールを登録しなければなりません。会計機能であれば、簿記の仕訳を自動的に行い、簡単に確定申告書を作成できるソフトウェア、決済機能であれば、クラウド型決済サービスのソフトウェア、受発注機能であれば、経費計算や請求書作成ができるソフトウェアなどが対象となります。

セキュリティ対策推進枠では、サイバーセキュリティ対策の強化を目的とする「サイバーセキュリティお助け隊サービス」に登録する必要があります。サイバーセキュリティお助け隊サービスとは、中小企業向けにサイバーセキュリティ対策として必要なサービスをパッケージ化したものです。ワンパッケージにすることで、必要なツールがすべて揃えられる上、安価でセキュリティ対策が実現できます。

申請者からの問い合わせ対応・サポート

IT導入支援事業者は、円滑な補助事業推進のサポート役を担っており、補助事業者からの疑問や問い合わせに対して、IT導入補助金事務局に代わり、IT導入支援事業者が対応します。

事務局からの指示・指導の仲介、サポート

IT導入補助金事務局から補助事業者に対して何らかの指示・指導をする必要が生じた場合、IT導入支援事業者が仲介。補助事業が円滑に進むように遂行をサポートします。

補助金不正受給等の不正行為の防止と管理監督

IT導入支援事業者は、補助事業者による補助金の不正受給等の不正行為を防止し、適切な補助金交付が行われるように補助事業の管理や監督を行う役目も担っています。

生産性向上の効果を最大限引き出すサポート

補助事業者がITツール導入により、生産性が向上させられるように、あるいは事業目的の効果が最大限引き出せるように、IT導入支援事業者は補助事業をサポートします。

IT導入支援事業者の選び方

法人かコンソーシアムか

IT導入支援事業者には、「法人(単独)」と「コンソーシアム」という2つの登録形態があります。「法人(単独)」は、1社でIT導入支援事業者の登録要件をすべて満たし、ITツール登録から事業実施効果報告まで単独で行う事業者。コンソーシアムは、幹事社1社と構成員からなる形態で、単独ではIT導入支援事業者としての要件を満たさない法人・個人が構成員として参画し、連携・役割分担しながら対応します。「どちらが良い」ということはありませんが、何も知らずにコンソーシアムのIT導入支援事業者と対面すると混乱してしまう可能性がありますので、こういう形態があるということだけ覚えておきましょう。

自社の課題・ニーズに合致しているか

まず、自社の経営課題やそれに伴うニーズに合ったITツールに対応しているか否かが重要です。DX化・業務効率化、生産性向上の観点から、自社が抱える課題を把握し、その解決に資するITツールやサービスを提供してくれるパートナーを選びましょう。既に導入したITツールが決定している場合は、そのツールを取り扱っているIT導入支援事業者を選べば良いですが、同じツールを複数の業者が取り扱っているケースもあるため、その際は前述の観点で検討してみてください。

豊富な申請ノウハウと採択実績があるか

IT導入補助金を申請しても、必ず採択されるわけではありません。交付申請から事業実施、実績報告を経て最終的に補助金が入金されるまでには、様々な要件をクリアし、多くの手続きに対応していく必要があります。そのため、IT導入補助金申請のノウハウを豊富に有していること、また、過去に十分な採択実績があり、手厚いサポートを提供しているIT支援事業者を選ぶようにしましょう。

打ち合わせ・面談はどういう形式で行うか

IT導入補助金を申請するにあたっては、様々な申請資料を用意しなければならず、IT導入支援事業者と細かな打ち合わせ・面談を行うことになります。オンライン形式で実施されることもあれば、対面形式で実施されることもありますし。打ち合わせ・面談は1回だけではなく、複数回実施することになるかと思いますので、いずれにしても、申請する事業者の希望や物理的な距離・時間によって柔軟に使い分けてくれるIT導入支援事業者がベストです。

アフターサポートの範囲はどの程度か

IT導入補助金に申請・採択され、ITツールを導入し、補助金が入金されたら一安心ではありますが、そこで終わりというわけではなく、以後、ITツールを運用し、成果を出していかなければ意味がありません。しかし、運用していく中では当然、不明点やトラブルが生じることもあります。そんなとき、アフターサポートにもしっかり対応してくれるIT導入支援事業者の方が安心です。もちろん、アフターサポートには別途料金が発生するでしょうから、「いくらで、どの程度のアフターサポートを受けられるのか」という点を事前に確認した上で、IT導入支援事業者を選ぶと良いでしょう。

<br> 以上、IT導入支援事業者について解説しました。IT導入支援事業者がIT導入補助金申請に欠かせない、重要なパートナーであることをお分かりいただけたと思います。IT導入支援事業者を選ぶときは、IT導入補助金の公式サイトの「IT導入支援事業者・ITツール検索」を利用できます。対象地域やITツールの分類を選択して検索すれば、条件が合致するIT導入支援事業者が一覧で表示されるので非常に便利です。ぜひ活用してみてください。