実績報告とは
IT導入補助金における実績報告とは、実施した事業の内容や支出した経費の内容を補助金事務局に報告する手続きです。実績報告時には、すべてのITツールにおいて、事業が完了しており、ITツールの利用・運用が開始されていなければなりません。実績報告の全プロセスは申請マイページ上で行われ、補助事業者から開始し、IT導入支援事業者が入力した後、最終的に補助事業者が提出するという流れになります。実績報告のプロセスは以下の通りです。
実績報告時の提出書類
実績報告で提出する書類に不備・不足などがあると、事業者に差し戻され、修正・追加の対応を求められます。差し戻しが重なると、実績報告の審査にも時間がかかり、その分、補助金が振り込まれる時期も遅くなります。また、不備・不足が解消されなければ、最悪の場合、補助金の交付を受けられなくなったりする可能性があるため、慎重に書類を用意しなければなりません。以下、主な提出書類の内容とそれぞれの注意事項をまとめました。
請求明細書
<記載事項>
請求日、請求元の名称、請求先の名称、請求金額合計、ITツール名、ITツールの数量、ITツールの金額、ITツールの利用期間を記載します。
<注意事項>
請求日や請求元を正しく記載し、税抜あるいは税込も明記して、正確な請求金額であることを確認します。ITツール名は交付決定済みのITツール名と同じでなければいけないので、名称をきちんと読み取れるように表記することも大切です。読み取りにくい場合は、請求書に補記したり、追加資料を添付したりして工夫しましょう。
また、ITツールの金額と実績報告の契約情報が同じか、値引き後の単価の正確さも同時に確認することも必要です。ITツールの利用料金が月額や年額で決定されている場合は、利用期間の確認ができるようにしてください。
支払証憑
支払証憑には、銀行振込、ATM振込、金融機関の窓口、インターネットバンキング、クレジットカード払いという5つの形式が認められています。それぞれの注意事項は以下の通りです。
支払方法 | 注意事項 |
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銀行振込 | 振込依頼書、ATM明細書、通帳表紙、通帳取引ページ、インターネットバンキングの振込完了画面や取引状況照会画面、クレジットカード明細のいずれかを提出します。いずれも、金融機関名、振込日、振込元や振込先情報、振込完了がわかる明細など、振込先の口座に間違いがないかを確認しましょう。また、利用している金融機関名、振込日、振込元、振込先、振込金額、振込完了情報、補助事業者名義の口座からの振込であることなどが確認できるかも必ずチェックしてください。 |
ATM振込 | ATMの利用明細、通帳の表紙、通帳の取引ページのいずれかを提出します。ATM明細は依頼人名のみでは情報不足になるので、通帳表紙が必要です。個人事業主の場合は、代表者名義の通帳にしてください。 |
金融機関の窓口 | 振込依頼書、通帳の表紙、通帳の取引ページのいずれかを提出します。口座から引き落とすならば、取引ページでIT導入支援事業者名がわかるようにしましょう。 |
インターネットバンキング | インターネットバンキングの振込完了がわかる書類は、金融機関名、振込日、振込元、振込先、振込金額、振込が完了していること、口座間の振込であることが確認できなければなりません。振込元の名義人が記載されていない場合は、通帳の表紙の添付が必要ですが、当座預金であれば、当座勘定照合表や入金帳などで代替できます。 |
クレジットカード払い | クレジットカードの名義人情報、利用日、利用金額や請求金額、引き落とし口座情報 (個人事業主ならば事業主名義の口座、法人ならば法人名義)、導入したITツールの内容やIT導入支援事業者名が確認できる利用内容などの情報を提出します。なお、クレジットカード払いは1回払いのみ認められます。 |
ソフトウェア利用の証憑
ソフトウェアの利用を確認できる証憑として、ソフトウェアの管理場面などのキャプチャ画像提出が必要です。提出の際は、ソフトウェア名、補助事業者名を確認しなければいけませんが、ケースバイケースで補助事業者名が表示されない場合もあります。その場合は、IT支援事業者と契約した折の書類を提出すればOKです。提出の際には、「導入したソフトウェア名が正しいか」「補助事業者名、利用者が補助事業者と一致しているか」などの点に留意しましょう。
受取口座の資料
受取口座は受け取り方にもよりますが、通帳の表紙と表紙裏面や、インターネットバンキングの口座情報が記載されたページなどが必要になります。受取のために必要な口座情報として、金融機関名、金融機関コード、支店名、口座種別、口座番号、口座名義人が明記されていなければなりません。補助事業者名義の口座でないと補助金の交付を受けられないので注意してください。仮に法人情報の変更、個人事業主の姓の変更が生じた場合は、変更後の口座情報が必要になります。
ECサイトを制作した場合
ECサイトを制作した場合は、ECサイトのURLや画面キャプチャを提出します。具体的には、商品画像やカートアイコンのあるページ、支払い情報入力ページ、購入(支払)確認画面などの商品決済画面、ITツールを利用した会計・受注・決済・ECの機能がわかる管理場面などの画面です。制作したECサイトのURLはすべての提出が義務づけられており、最大5個まで入力することができます。
ハードウェア導入の場合
PC・ダブレット、プリンター、スキャナーなどのハードウェアを導入した場合は、納品書やハードウェアのクリアな画像を添付します。なお、、POSレジ、モバイルPOSレジ、券売機もハードウェアに該当するため、同じく画像を提出が求められます。
以上、IT導入補助金の実績報告について解説しました。交付申請時と同様、IT導入支援事業者と連携して手続きを進める必要がある上、提出書類一つとっても細かなルールが設定されており、難しそうだと感じた事業者の方も多いのではないでしょうか。しかし、事業実施中から実績報告のことを頭に入れて、少しずつ、確実に準備を進めていけば、スムーズに完了するはずです。計画的に取り組んでいきましょう。BIZ JAPANもIT導入補助金の交付申請から実績報告までトータルにサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。