国や自治体の補助金の電子申請システム「 jGrants 」
電子申請とは、行政機関などの窓口に出向き、申請用紙に記入するなど書面で行っていた申請手続きを、インターネットを通じて自宅や会社などから行えるサービスのこと。国では厚生労働省、国土交通省、金融庁、経済産業省などが管轄する様々な行政手続きが、既に電子申請で行えるようになっています。
補助金申請もその多くが電子申請に移行しています。経済産業省は2020年4月に、国や自治体の補助金の電子申請システム「jGrants」をリリースし、補助金・助成金申請の電子化を推進。これに伴い、煩雑だった申請業務が大きく簡素化されました。小規模事業者持続化補助金では、郵送申請だと減点対象になってしまうため、電子申請を強くオススメします。
GbizID プライムアカウント
GbizID とは
「jGrants」の利用を開始するには、まず、「GbizID」を取得する必要があります。GbizIDとは、法人・個人事業主のための共通認証システムです。GbizIDを1つ取得すれば、複数の行政サービスを利用することができ、更新する必要もありません。GbizIDには、GbizIDプライム、GbizIDメンバー、GbizIDエントリーという3種類のアカウントがあります。「jGrants」を利用するためには、GbizIDプライムまたはGbizIDメンバーのアカウントが必要です。アカウントごとに利用可能な範囲が異なるので注意しましょう。
アカウントの種類 | 対象者 | 「 jGrants 」の利用可否 |
---|---|---|
GbizIDプライム | 法人代表者や個人事業主 | 利用できる |
GbizIDメンバー | GbizIDプライムのアカウントを所有する法人や事業者の従業員 | 利用できる |
GbizIDエントリー | 誰でも利用可能でGbizIDサイトで即日発行ができる | 利用できない |
GbizID プライムアカウントの申請方法
GbizIDプライムアカウントがないと、GbizIDメンバーのアカウントも作成することもできませんし、「jGrants」での補助金申請もできないため、早めに取得しておきましょう。GbizIDプライムアカウントは、事業区分やマイナンバーカードの保有状況に応じて、郵送とオンラインの2つの申請方法があります。郵送申請は、法人・個人事業主ともに利用可能です。
GbizIDの申請書、印鑑証明書、登録申請書チェックシーを運用センターに郵送すると、本人確認後1〜2週間で発行されます。個人事業主の方は、マイナンバーカードを保有していれば、オンライン申請が可能です。スマートフォンまたはパソコンなど申請用の端末とメールアドレスがあれば即日発行できます。オンライン申請は二段階認証になるため、「GbizIDアプリ」が必要です。また、2024年以降はSMS認証が廃止され、Gbizにログインする際はアプリ認証のみになるため、郵送申請の場合でも「GbizID」は準備する必要があります。
電子申請の入力事項
GbizIDプライムアカウントで「jGrants」にログインし、小規模事業者持続化補助金の申請フォームにアクセスできたら、順次必要事項を入力していきます。電子申請をする際は入力の手引きに従って、注意点を確認しながら入力しましょう。途中で不明点や不足書類が出てきた場合は、「一時保存」をして作業を中断し、確認・準備が整ったら改めて入力を再開します。画面上の作業が長時間中断すると、自動でログアウトされてしまい、入力した内容が保存されずに消えてしまうことになるので十分注意してください。以下、電子申請の入力項目・アップロード資料を紹介していきます。
経営計画書兼補助事業計画書①(様式 2 )
<応募者の概要>欄
入力項目 | 注意事項 |
---|---|
法人番号(13桁) | 個人事業主は「なし」と記載し、マイナンバー(個人番号12桁)は記載しないでください。 |
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常時使用する従業員数 | 会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。また、派遣社員も直接雇用関係ではないため含みません。 |
売上高売上総利益経常利益 | 法人の場合は損益計算書の数字、個人事業主の場合は確定申告書または所得税青色申告決算書など、提出する書類の数字と相違がないように記載します。 |
<確認事項>欄
入力項目 | 注意事項 |
---|---|
希望する枠の選択 | 申請枠を間違えないように要件などを確認したうえでチェックしましょう。 |
インボイス特例 | 要件を確認したうえで忘れずにチェックしましょう。インボイス特例申請に係る宣誓・同意書(様式9)の提出が必要です。 |
重点政策加点項目 | 加点条件をしっかりと確認しながら可能なものはチェックし記入しましょう。重点政策加点、政策加点からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択可能です。 |
なお、作成した経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)については、別途PDF形式かWord形式でファイルを保存し、システム上にアップロードすることになります。
補助事業計画書②(様式 3 )
経費明細表は数値のみ入力します。作成した補助事業計画書②(様式3)をよく確認して、書類に記載された数値とシステムに入力する数値に不一致が生じないよう十分注意してください。なお、補助事業計画書②(様式3)は別途PDF形式かWord形式でファイルを保存し、システム上にアップロードすることになります。
事業支援計画書(様式 4 )
商工会議所から発行される書類です。申請書類一式をプリントアウトした上で、地域の商工会議所に提出。担当者が内容を確認し、特に問題がないようなら発行手続きに進みます。事業支援計画書の交付受付締切は、原則公募締切の1週間前です。この書類がないと、そもそも補助金の申請ができなくなってしまうため、忘れずに手続きをしてください。電子申請の際は、PDF形式でファイルを保存して、システム上にアップロードすることになります。
小規模事業者持続化補助金交付申請書
選択する消費税の区分(課税事業者・免税事業者・簡易課税事業者)によって、補助対象経費の算定方法が異なるので注意してください。その他、特別枠申請やインボイス特例の申請など、希望する枠や特例によって必要書類が異なるため、しっかりと確認して準備しましょう。添付ファイルのアップロードはPDF形式になります。
電子申請はスケジュールに余裕を持って
電子申請にはおおよそ3〜4時間かかります。不慣れな方だともっと時間がかかる可能性もあるため、スケジュールに余裕のある日を選んで申請作業を行いましょう。また、しっかり準備をしたつもりでも、申請入力中に「あれが足りない」「これができない(わからない)」という事態に直面することが少なくありません。そういうときでも、改めて仕切り直せるように、申請締切日ぎりぎりに入力するのは避けたほうが良いでしょう。特に締切直前になるとシステムが混雑して、動きが遅くなったり、途中でフリーズしてしまったりという問題が生じる可能性もあるため、十分注意してください。
<br> 以上、小規模事業者持続化補助金の電子申請について解説しました。「jGrants」「GbizID」を初めて知ったという方もいるでしょうし、郵送の方が楽そうだと感じた方もいるかもしれません。しかし、今後の補助金申請は確実に電子申請がメインになっています。電子申請が面倒だという理由で、補助金を得られる貴重な機会を活用しないのは非常にもったいないので、前向きにチャレンジしてみてください。どうしても自信がないという方は、ぜひBIZ JAPANにご相談を。電子申請も含めて、小規模事業者持続化補助金の申請手続きを丁寧にサポートします。