機械装置等費
機械装置等費は、販路拡大や生産性向上のために必要な機械装置を購入するための経費を指します。既存事業に係る費用、単なる機械装置の取替・更新費用は補助対象外となるので注意が必要です。以下、機械装置等費として対象になる経費と対象外になる経費の例をまとめました。
対象となる経費例
高齢者や乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子やベビーチェア/衛生向上や省スペース化のためのショーケース/飲食店の生産販売拡大のための厨房機器/新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)/販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア(CADソフト、顧客管理ソフトなど)
対象外となる経費例
自動車等車両/パソコンやオフィス用具、事務機器など汎用性が高く目的の使用になりえるもの/既に導入しているソフトウェアの更新料/古い機械装置等の撤去・廃棄費用
なお、単価が50万円(税抜)以上の機械装置は処分制限財産となります。これらは、補助金支払後であっても制限期間内には処分できないものとして扱われ、制限期間内で処分する場合は補助金事務局の承認が必要です。承認を得ずに処分すると、補助金交付取消・返還命令の対象となるため注意が必要です。また、100万円を超える機械装置購入時は、2者以上からの見積りが必要になります。中古品を購入する際は、購入単価が50万円未満であることが条件となり、2者以上の見積り取得も必要となります。修理費用は補助対象外であり、故障や不具合が起きて製品が使用できない場合も補助対象外です。
広報費
広報費は、補助事業計画に基づく商品・サービスの広報を目的とした経費であり、販路開拓につながる宣伝であることがポイントになります。単なる自社のPRや営業活動に活用される広報費は補助対象外です。ウェブや動画に関する広報費用については、広報費ではなくウェブサイト関連費に計上します。以下、広報費として対象になる経費と対象外になる経費の例をまとめました。
対象となる経費例
チラシやカタログの外注や発送/新聞や雑誌等への商品・サービスの広告/看板作成・設置/試供品(販売用商品と異なる場合)/販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲載されている場合)/郵送によるDMの発送
対象とならない経費例
試供品(販売用商品と同じものを試供品として用いる場合)/販促品(商品・サービスの宣伝広告の掲載がない場合)/名刺/商品・サービスの宣伝広告を目的としない看板・会社案内パンフレットの作成・求人広告/文房具等/金券・商品券/チラシ等配布物のうち未配布・未使用分/補助事業期間外の広告の掲載や配布物の配布
ウェブサイト関連費
ウェブサイト関連費は、ウェブサイトやECサイト、システム開発・構築・更新・改修・運用に必要な経費、その他、インターネット広告、SEO対策、SNSマーケティング、動画制作など、ウェブ(オンライン)施策に係る経費すべてが含まれます。ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の1/4(最大50万円)が上限となっており、補助金確定額が50万円であれば、ウェブサイト関連費は12.5万円までしか計上できません。また、ウェブサイト関連費のみでの申請は認められないため、他の経費と一緒に申請する必要があります。以下、ウェブサイト関連費として対象になる経費と対象外になる経費の例をまとめました。
対象となる経費例
商品販売のためのウェブサイト作成や更新/インターネットを介したDMの発送/インターネット広告/バナー広告の実施/ウェブサイトのSEO対策/商品販売のための動画作成/システム開発、構築に係る経費/SNSに係る経費
対象とならない経費例
商品・サービスの宣伝広告を目的としない広告/ウェブサイトに関連するコンサルティング、アドバイス費用/補助事業期間内に公開に至らなかった動画・ホームページ・ランディングページ
展示会等出展費
展示会等出展費は、新商品等を展示会や商談会に出展・参加するために経費です。出展料に加え、関連する運搬費、通訳料、翻訳料も補助対象になりますが、レンタカー代、ガソリン代、駐車場代は含まれませんので注意が必要です。また、海外展示会等において、証拠書類が外国語で記載されている場合は、日本語の要約・説明書類も必要になります。以下、展示会等出展費として対象になる経費と対象外になる経費の例をまとめました。
対象となる経費例
展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)/展示会出展に関連する運搬費(レンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除く)/展示会出展に関連する通訳料・翻訳料
対象とならない経費例
国により一部助成を受ける場合や、請求書の発行日や支払日が交付決定日より前の場合/販売のみを目的とし、販路開拓に繋がらないもの/補助事業期間外に開催される展示会等/選考会、審査会への参加・申込費用/実績報告時に提出する証拠書類の翻訳料/文房具等の事務用品等の消耗品代/飲食費を含んだ商談会参加費
委託・外注費
先に紹介した経費に該当しないもので、補助事業遂行に必要な業務の一部であり、自ら実行することが困難な業務を第三者に委託・外注するために支払われる経費です。以下、委託・外注費として対象になる経費と対象外になる経費の例をまとめました。
対象となる経費例
店舗改装・バリアフリー化工事/利用客向けトイレの改装工事/製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事/移動販売等を目的とした車の内装・改造工事/従業員の作業導線改善のための従業員作業スペースの改装工事/インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた専門家への相談費用
対象とならない経費例
補助事業で取り組む販路開拓や業務効率化に結びつかない工事/単なる店舗移転を目的とした旧店舗・新店舗の解体・建設工事/住宅兼店舗の改装工事における住宅部分、既存の事業部門の廃止にともなう設備の解体工事/建物の増築・増床や小規模な建物(コンテナハウス等)の設置など不動産の取得に係る費用/ 有償レンタル・有償貸与を目的としたスペースの改装に係る費用
旅費
旅費とは、販路開拓の一環としての出張旅費を指します。国が定める旅費の支給基準に基づき算出され、補助事業計画に出張の明記がない場合や、通常の営業活動に要する経費は補助対象外です。移動の経費は、公共交通機関を使用した最も合理的・経済的な経路により算出された実費が対象となります。海外旅費で外国語の証拠書類を提出する際には、日本語で要約・説明する書類があわせて必要です。
対象となる経費例
展示会への出展や、原材料調達の調査等のための宿泊代/バス運賃、電車賃、新幹線料金、航空券代(エコノミークラス分の料金まで)/航空保険料/出入国税
対象とならない経費例
国の支給基準の超過支出分/日当/朝食付き・温泉入浴付き宿泊プランにおける朝食料金・入浴料相当分/視察・セミナー等参加のための旅費/パスポート取得料/全国旅行支援等の国の助成制度を利用して支払われた経費
新商品開発費
開発費は、新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費です。原材料等の数量はサンプルとして使用する必要最小限にとどめ、実際に補助事業終了時までに使用したものが対象となります。原材料費を補助対象経費として計上する場合は、受払簿(任意形式)の作成が必要です。以下、新商品開発費として対象になる経費と対象外になる経費の例をまとめました。
対象となる経費例
新製品・商品の試作開発用の原材料の購入/新たな包装パッケージに係るデザイン費用
対象とならない経費例
文房具等/開発・試作した商品をそのまま販売する場合の開発費用/試作開発用目的の購入で使い切らなかった材料分/デザインの改良等をしない既存の包装パッケージの印刷・購入/実際に販売する商品・製品を包装するための印刷・購入するパッケージ分
資料購入費
補助事業に必要な図書等を購入するために支払われる経費です。取得単価が税込10万円未満のものに限定され、購入する部数・冊数は1種類につき1部(1冊)が限度となるため、同じ図書を複数購入することができません。中古の書籍については、実績報告時に2者以上の見積りが提出できる場合のみ、補助対象として認められます。
借料
補助事業に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費です。実績報告の際、見積書・契約書が確認できる経費のみが対象となります。契約期間が補助事業期間を超える場合は、按分等の方式によって算出された補助事業期間分のみが対象となります。商品・サービスの PR イベントの会場を借りるための費用も該当します。事務所の家賃なども対象外ですが、新たな販路開拓の取組の一環として事務所を賃借する場合は対象となるケースもあります。
設備処分費
販路開拓の取組を行うための作業スペースを拡大するなどの目的で、事業者自身が所有する設備機器を廃棄・処分する場合、借りていた設備機器を返却して原状回復する場合に発生する経費です。申請時における設備処分費の補助対象経費への計上額は、補助対象経費総額の1/2が上限になります。交付決定後の計画変更による事後の追加計上や経費の配分変更による増額変更は認められないので注意しましょう。
<br> 以上、小規模事業者持続化補助金の補助対象経費について解説しました。補助金を活用して導入したい製品やサービスが補助対象として認められる場合は、ぜひ申請にチャレンジしてみてください。また、本記事や公募要領の記載では判断が難しい場合は、BIZ JAPANへお気軽にご相談を。補助金の申請から入金まで丁寧に伴走サポートします。