小規模事業者持続化補助金の補助対象者

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補助対象事業者の基本要件

小規模事業者持続化補助金の補助対象者は最低限、以下の基本要件を満たしていなければなりません。この要件を満たしていれば、法人はもちろん、個人事業主やフリーランスの方でも補助対象者となります。

・資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていない

・直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていない

・商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること。

・持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択を受けて、補助事業を

・行った場合、「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を原則本補助

・金の申請までに受領している

・卒業枠で採択され事業を実施した事業者ではないこと

また、小規模事業者に該当するか否かは、「業種」と「従業員数」によって判断されます。例えば、飲食店は「商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)」となり、従業員数5人以下の事業者が該当。ホテルや旅館は「宿泊業」、映画館やスポーツアミューズメント施設は「娯楽業」、何らかの製品を製造・開発している会社は「製造業」となり、従業員数20人以下の事業者が該当します。なお、「業種」については、 総務省の「日本標準産業分類」 にて確認できます。

業種 従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員数は5人以下
宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員数は20人以下
製造業・その他 常時使用する従業員数は20人以下

なお、雇用形態や賃金体系によっては、「常時使用する従業員」に含まれない場合があります。会社役員は含まれませんが、従業員と兼務している場合には「常時使用する従業員」に含まれます。事業主本人および同居の親族従業員、育児・介護・傷病にて休業中または休職中の社員なども含みませんので注意が必要です。アルバイトやパートタイム勤務者は、雇用条件によって対象とならないケースがあります。雇用期間や勤務時間が短い労働者は対象外になるため、常時使用する従業員は何人いるのか確認しておきましょう。

特定非営利活動法人は、以下の要件を満たしていれば補助対象となり申請可能です。収益事業を行っていても免税されている場合や、確定申告書の提出ができない場合は補助対象外となります。

  • 特定非営利活動方針法に基づいたNPO法人である(法人化していないと対象外)
  • 法人税法上の収益事業を行っている
  • 収益事業を行い、法人税を納めている
  • 認定特定非営利活動法人でない
  • 従業員の数が20人以下

補助対象外となる事業者

例えば、日本標準産業分類において、パチコン店は「娯楽業」に該当しますが、小規模事業者持続化補助金では補助対象外と定められています。このように、業種や従業員数の要件をクリアしていても対象外となる業種もあるため、申請前に確認しておきましょう。補助対象外となる業種は以下の通りです。また、当然ですが、反社会的勢力が関係する小規模事業者も対象外になります。

  • 医師、歯科医師、助産師
  • 系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)
  • 協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
  • 一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人
  • 医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人
  • 申請時点で開業していない創業予定者
  • マージャン店・パチンコ店・ゲームセンター店等、性風俗店
  • 任意団体など
  • 認定特定非営利活動法人(法人税が優遇されているため補助金の対象外)

各申請枠の申請要件

小規模事業者持続化補助金には、基本要件を満たしていれば申請できる「通常枠」のほかに、追加の要件をクリアしなければ申請できない「特別枠」と呼ばれる申請枠が4つあります。ここからは、申請枠ごとの申請要件や補助率・補助額などを順に解説していきます。

通常枠

申請要件 前述の基本要件を満たした事業者であれば、すべて申請可能
補助率 補助額 ・補助率(支出した補助対象経費のうち何割が補助されるか):2/3<br>・補助額(補助される経費の上限額):50万円

賃金引上げ枠

申請要件 ・補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が申請時の地域別最低賃金より+50円以上であること<br>・すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50円以上である場合は、現在支給している事業場内最低賃金より+50円以上とすること
補助率 補助額 ・補助率(支出した補助対象経費のうち何割が補助されるか):2/3<br>・補助額(補助される経費の上限額):200万円<br>・直近1期または直近1年間の課税所得がゼロの場合、「赤字事業者」として補助率が3/4に引き上げられます。
注記 補助事業実施期間中に賃金を上げられないと、補助金は交付されません。

卒業枠

申請要件 補助事業の終了時点において、以下の通り常時使用する従業員の数を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大すること<br>商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):6人以上<br>宿泊業・娯楽業:20人以上<br>製造業・その他:20人以上
補助率 補助額 ・補助率(支出した補助対象経費のうち何割が補助されるか):2/3<br>・補助額(補助される経費の上限額):200万円
注記 ・従業員数の拡大要件を満たせなかった場合は、補助金交付は行いません。<br>・新規採用の見込みが高ければオススメですが、そうでなければ慎重に検討しましょう。

創業枠

申請要件 ・公募申請締切時から過去3か年の間に、開業していること(法人登記、開業届提出など)<br>・公募申請締切時から過去3か年の間に、産業競争力強化法に基づく認定市区町村または<br>・認定市区町村と連携した認定連携創業支援等事業者が実施した特定創業支援等事業の支援を受けていること
補助率 補助額 ・補助率(支出した補助対象経費のうち何割が補助されるか):2/3<br>・補助額(補助される経費の上限額):200万円
注記 特定創業支援等事業は、市区町村、商工会議所、金融機関などが創業支援セミナーや創業サポート制度などの形式で実施しています。無料もしくは非常に低価格で参加可能です。

後継者支援枠

申請要件 アトツギ甲子園においてファイナリスト、準ファイナリストに選出されていること
補助率 補助額 ・補助率(支出した補助対象経費のうち何割が補助されるか):2/3<br>・補助額(補助される経費の上限額):200万円
注記 アトツギ甲子園は、中小企業庁が主催する全国各地の中小企業・小規模事業者の後継者が、既存の経営資源を活かした新規事業のアイデアを競うイベントです。

なお、いずれの申請枠には、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換した場合、補助上限額一律50万円上乗せされる「インボイス特例」が適用されます。インボイス登録をしていない事業者の方、これからインボイス登録をしようかと検討されている事業の方は、補助上限額増額のため、インボイス登録に踏み切るのも一つの方法です。

<br> 以上、小規模事業者持続化補助金の補助対象者について解説しました。すべての事業者に共通して求められる基本的な要件に加え、申請枠ごとに定められられた要件もありますので、、自社(自分)がその要件を満たしているか確認してみましょう。そして、要件を満たしている場合は、ぜひ申請にチャレンジしてみてください。BIZ JAPANが申請手続きをバックアップします。