補助金申請の支援機関・支援事業者とは?

令和5年度補正予算案 環境省が描く脱炭素社会への道筋
この記事の目次

認定経営革新等支援機関とは?

経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)とも呼ばれ、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会、商工会議所、銀行・信用金庫などの金融機関、民間コンサルティング会社など)のことです。

中小企業を巡る経営課題は日々多様化・複雑化しています。それに対応するため、平成24年8月30日に中小企業経営力強化支援法(現:中小企業等経営強化法)が施行され、あわせて中小企業に対して専門性の高い支援を行う認定支援機関を認定する制度が創設されました。

認定支援機関は、中小企業や個人事業主に対して、創業支援、事業計画策定支援、資金調達、事業承継、M&A、生産管理・品質管理、デジタル化、販路開拓・マーケティング、人材育成、人事労務、海外展開、財務会計など様々なサポートを行い、事業の成長・発展をバックアップしてくれる心強い存在です。

補助金申請における認定支援機関のサポート

補助金申請に関する要点をわかりやすく説明

認定支援機関には、補助金申請のサポートも依頼できます。補助金申請の手続きは細かなルールが多数定められている上、手続きも複雑で手間がかかるものが多いです。補助金の詳細や手続きの手順は公募要領やガイドブック、手引きなどの資料に記載されていますが、数十ページにわたって文字がぎっしり詰まっている上、役所が作成した行政文書であるため、表現が難解でわかりづらく、「公募要領を見て挫折してしまった」「何がわからないかがわからない」と匙を投げる事業者も少なくありません。そんなとき、補助金の詳細を熟知した認定支援機関であれば、要点をかいつまんで、簡潔にわかりやすく説明してくれます。

事業計画に対する客観的なアドバイス

また、事業計画書作成の際にも、認定支援機関は大きな助けになってくれます。事業計画を作成する際、経営者の方に多いのが、「思い先行」になってしまうこと。事業の特長や魅力、事業にかける情熱、事業を通して実現したい夢や志しなど、そういう点を熱く語ることに終始してしまうわけです。しかし、思いだけでは、事業計画の良し悪しを判断することはできません。事業計画書を作成する際には、自社を取り巻く市場環境や競合他社のリサーチ・分析結果、資金調達計画、収益計画、キャッシュフロー計画、生産計画、人員計画、進行スケジュールなどを、数値を交えて、具体的に記載することがより重要になってきます。それらを整理するときに、認定支援機関は専門家の視点から、客観的なアドバイスをしてくれるのです。アドバイスに沿って事業計画を見直し、ブラッシュアップしていくことで、より精度の高い事業計画書を作成することができます。

認定支援機関の探し方・選び方

認定支援機関検索システムから検索

認定支援機関は全国各地にあり、中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムで検索できます。このシステムでは、地域・業態・相談内容などを入力すると、条件に該当する機関の一覧が表示されます。例えば、「東京都」で「建設業」の「事業再構築補助金」で支援実績のある「中小企業診断士」を検索すると、128件の認定経営革新等支援機関が表示されました(2024年2月5日現在)。そのうち、支援実績が50件を超えるが機関が複数あり、個別に住所や電話番号、メールアドレスのほか、セールスポイントなどが記載されています。認定支援機関にはそれぞれ得意分野があり、事業計画を文章にまとめることに秀でた機関もあれば、収益計画の設計など数字に強い機関もあります。まずは、相談したい内容を得意としているかについて、システムに記載されているセールスポイントなどを確認してみましょう。

無料のサポート、有料のサポート

なお、金融機関や商工会、商工会議所など無料で手厚いサポートを受けられますが、経営者が自分で手を動かすことが基本になります。一方、民間の中小企業診断士やコンサルティング会社であれば、報酬は発生するものの、ルールの許す範囲で文書作成や各種手続きを代行してくれるところが少なからずあります。報酬額は補助額の10~20%に定められているケースが多いようです。事務的な負担を軽減できる点は大きなメリットですが、機関によってサービスの内容や料金にばらつきがあるため、複数の機関を比較検討しながら、慎重に見極めることが必要です。

IT 導入補助金の申請は IT 導入支援事業者に

IT導入補助金は他の補助金とは異なり、IT導入支援事業者と共同で申請する形式を採用しています。IT導入支援事業者とは、IT導入補助金を申請する企業を支援し、ITツールの導入や申請のサポートをおこなう共同事業者(パートナー)のことであり、 IT導入補助金の対象となるITツールを提供するITベンダーや販売代理店などが登録されるケースが多いです。

IT導入補助金の申請に際しては、まず、自社の経営課題解決に資するITツールとそれを取り扱っているIT導入支援事業者を選定。その後の申請プロセスを一緒に対応していくことになります。IT導入支援事業者は、IT導入補助金公式サイトで検索することができます。IT導入支援事業者、ITツール検索、ITツール名、エリアなどから検索すると、該当するIT導入支援事業者が一覧で表示されます。同じITツールを複数の事業者が取り扱っている場合もありますので、サービスの範囲や報酬なども確認・比較検討した上で、慎重に選ぶようにしましょう。

<br> 以上、補助金申請の支援機関・支援事業者について解説しました。主な補助金では、補助内容の詳細、申請の手順、注意事項などをまとめた公募要領やガイドブック、マニュアルなどを作成・発行されています。しかし、行政文書であるため、非常に細かく、表現もわかりづらく、パッと見ただけで読む意欲を失わせます。そこに日々の忙しさも重なり、自力での申請は現実的に難しいというケースも多いと思いますので、そんなときはぜひBIZ JAPANにご利用ください。自社の課題に応じた、ぴったりの認定支援機関・支援事業者と出会うことができるはずです。